「職業訓練、受けてみたいけど……俺、もう30代だしな」
そう思って、応募ボタンの前で手が止まったのは、僕だけじゃないと思う。
職業訓練って、なんとなく「若い人が優先される」ような空気を感じてしまう。
でも実際は、年齢よりも見られているポイントがあった。
今回は、僕自身の体験を通して、年齢を気にしながらも職業訓練を受けたリアルを話す。
これ、僕だけの話じゃなく、あなたにも関係あるかもしれない。
職業訓練に年齢制限はあるのか?

結論から言うと、職業訓練には明確な年齢制限はない。だけど、受ける側の気持ちとしては、年齢ってすごく気になる。僕もそうだった。
実際に僕が公共職業訓練を受けたのは30歳の時。当時は、就職もうまくいかず、「職業訓練って最終手段っぽいな…」とためらってた。でもハローワークの職員さんが教えてくれたのは、「今、40代・50代の人も普通に訓練に通ってるよ」という話だった。
ハローワークの職業訓練には大きく2種類あって、ひとつは「公共職業訓練」、もうひとつが「求職者支援訓練」。どちらも年齢による制限は設けられていない。離職者や非正規の人など、就職支援が必要な人なら、年齢関係なく対象になる。
でもここからがややこしい話で——年齢が「制限」にはなってなくても、「選考」に影響を与えることはある。これは実際に複数の訓練校の担当者が口をそろえて言っていた。つまり、面接や書類で「この人は今後も継続的に働いていけるか」「訓練内容と目的が一致しているか」といった点が見られる。年齢が高くなると、「この人、ちゃんと就職できるのかな?」って懸念を持たれやすくなるのは、どうしてもある。
それでも、40代・50代の合格者がゼロかと言えば全然そんなことはなくて、むしろ介護やIT系の訓練では40代以上の受講者もかなり多い。僕が通っていた校舎でも、周りは20代〜50代までバラバラだった。
結局のところ、「年齢を気にする気持ちはすごくわかる。でも、それで諦めるのはもったいない」ってこと。年齢よりも、“なぜ今、その訓練を受けたいのか”がはっきりしているかが見られていた。そこに自分なりの理由があれば、年齢の壁は思ったより薄いのかもしれない。
職業訓練に受かりやすい人の特徴とは?

職業訓練に受かるかどうかは、年齢よりも「準備の丁寧さ」と「自分の言葉で話せるか」が大きい。これが僕の実感。
よく「職業訓練に受かる方法」みたいな情報を見るけど、正直、マニュアル通りの志望動機を書いても、あまり響かない気がしてる。面接担当の人も、何百人と志望理由を読んでる。だからこそ、「あ、この人ちゃんと自分で考えてるな」と思わせられるかがカギだった。
僕のときは、志望動機に「将来どうなりたいか」よりも、「なんで今この訓練を選んだのか」をしっかり書いた。たとえば「なんとなくITが良さそうだから」ではなく、「前職でPCを使う機会があって、もう少し深く学びたいと思った」といった具体的なきっかけを書くと、自分でも納得感が出る。しかもそれって、面接で話す時にもブレなくなる。
書類選考では、年齢を気にしすぎて「自分を卑下しすぎる人」が意外と落ちやすい印象。「もう歳だし…」と書いてしまうと、それがそのまま「自信がない人」という評価になりかねない。実際、年齢が高くても「自分の強み」をしっかり言葉にできる人は、むしろ歓迎されていた。
あと、書類の内容と面接の内容にズレがないことも大事だった。僕が面接で言われたのは、「履歴書では前職の退職理由が分からなかったけど、ちゃんと説明してくれてよかった」といったフィードバック。ここで変にカッコつけずに、「人間関係がうまくいかなくて……」と正直に言ったら、ちゃんと聞いてくれた。
つまり、受かりやすい人って、派手な経歴がある人じゃなくて、「今の状況をきちんと説明できる人」。訓練を“利用するだけの人”じゃなくて、“通った先に何がしたいのか”を持ってる人が、自然と選ばれていくように思う。
職業訓練に落ちた?未経験?年代別にありがちなつまずきと対策

「落ちた理由がわからない」「未経験でもいける?」「受かったけど辞退したい…」
――このあたり、検索してる人は結構多い。僕も実際、応募前・合格後にめちゃくちゃググった。ここでは、その「よくあるQ&A」について、僕の体験や調べたことも交えて答えていく。
「職業訓練 30代 落ちた」って人は何が足りなかった?
まず大前提として、落ちた=年齢のせい、とは限らない。僕も一度、IT系のコースに応募して落ちた経験があるけど、今思えば「志望動機がふわっとしすぎてた」。
特に30代って、“若さ”も“経験”も中途半端に思われやすい時期。だからこそ、「なぜこのタイミングで訓練を受けようと思ったのか?」をしっかり説明しないと、印象に残らない。
例えば、「スキルアップしたい」だけじゃなく、「過去にこういう業務があって、それを深めたい」とか、「今の業界だと将来が不安で、別業種でやり直したい」みたいに、自分のストーリーを加えるとぐっと通りやすくなると思う。
「職業訓練 40代 未経験」でも通る?
これ、実はかなり多い。介護・IT・事務系など、未経験者を想定してるコースがほとんどだから、年齢というよりも「どれだけ本気か」を見られてる印象がある。
僕が通ってた訓練にも、40代で全く異業種から来た人が何人もいた。その中の一人は、飲食業から事務職に切り替えたくて来てたけど、面接のときに「PCは不安だけど、今後事務系の仕事に就くために基礎から学びたい」と言ってて、担当者も納得してた。
むしろ、未経験であっても、「今後どうなりたいか」「何を学びたいか」を明確にしておけば、40代でもきちんと評価される。
「職業訓練 受かったけど辞退」する人の理由とは?
ここは意外と盲点。実際に辞退した人の話を聞くと、「思ってたより通学が大変だった」「訓練の内容が合わなかった」「他の就職先が決まった」など、理由はさまざま。
僕自身も、実は受かってから「このコースで本当にいいのか?」と迷った時期があった。というのも、内容が想像よりも実務寄りで、「これは初心者向けじゃないかも」と不安になったから。
結局、訓練前に「説明会」や「カリキュラム表」をちゃんと見て、自分に合ってると確認できたからそのまま進んだけど、ここが不安なら、事前に訓練校に連絡して相談するのが正解。
辞退自体は悪いことじゃない。でも、自分の意思で判断するためにも、できるだけ情報を集めておいた方が後悔しないと思う。
年齢で迷ってる人に伝えたいこと

年齢を気にして動けなくなる気持ち、ほんとによくわかる。僕も「30歳で職業訓練って、なんか遅くない?」ってずっと思ってた。けどね、実際に通ってみて思ったのは――「そんなの誰も気にしてない」ってことだった。
僕が通ったクラスには20代もいれば50代もいたし、子育てがひと段落して再就職を目指してる女性もいた。年齢や経歴はバラバラだけど、みんな「この先なんとかしたい」という気持ちは一緒。そこに年齢の“壁”なんて、実はなかった。
年齢に気を取られすぎて見えなくなるもの
職業訓練って、「受かるかどうか」が気になりすぎて、その後のことを見失いがち。でも大事なのは、「通った先に何をしたいか」だと思う。僕も最初は「受かればOK」くらいに考えてたけど、通ってみて気づいた。「ゴールは合格じゃない、スタートだったな」って。
実際に、合格して通い始めてからの方が、しんどいことも多かった。課題は出るし、グループワークもあるし、知らない用語だらけ。でも、「自分の選択に納得してる」って気持ちが、僕を踏みとどまらせてくれた。
僕が受かった時、意外と役に立ったこと
あまり語られないけど、僕が受かったときにやって良かったなと思うのは、「人に話す練習をしたこと」。履歴書の下書きだけじゃなくて、それを家族や友人に読んでもらって、変なところがないか聞いてもらった。自分で書いてると気づかないことって、結構ある。
あと、僕は「棚卸しノート」っていうのを勝手に作って、これまでの仕事やできたこと・できなかったことを書き出してた。これが面接でも意外と役立った。経験が少なくても、自分なりに向き合った姿勢が見えると、相手もちゃんと聞いてくれるんだなって思った。
40代でも選ばれる理由がある
そしてこれ、声を大にして言いたいんだけど――40代でも、ちゃんと評価される。むしろ、「これまでの人生経験をどう活かすか」って視点では、若い人よりアドバンテージがあるケースもある。
僕のクラスにいた50代の男性は、昔やってた営業の経験をうまく志望動機に落とし込んで、「今度は事務のスキルを身につけて、もう一度正社員を目指したい」と話してた。その言葉に説得力があったから、選ばれて当然だと思った。
年齢って、引っかかるのは自分だけで、外から見ればそこまで気にされてないことが多い。だったら、自分の経験をどう語るか。それが、僕ら世代の“戦い方”なのかもしれない。
まとめ:年齢を気にしながら、それでも一歩踏み出す
職業訓練って、「若い人のもの」って思ってた。けど、実際に30歳で通ってみて思ったのは、「年齢より、理由のほうが大事」ってことだった。
年齢に不安があっても、自分の言葉で今の状況や未来の希望を語れる人は、きちんと選ばれる。40代でも、未経験でも、「これから」に向けて動いてる人はちゃんと見てもらえる世界だった。
もし今、「受かるかな…」と迷ってるなら、まずは動いてみること。案外、年齢のことを気にしてるのは自分だけだったりするから。