「退職届って、どう書けばいいのかわからない…」
これは、僕が人生で二度目の退職を決意したとき、ふと頭に浮かんだ素直な言葉です。
もちろん、それまでも何度か「もう限界かもな」と思ったことはあります。
でも、いざ退職届を出すとなると、なんだかすごく仰々しくて、勝手がわからなくなる。
書式?タイミング?手渡し?郵送?上司の顔?いろんな不安が、そっと押し寄せてきます。
僕は過去2回、退職を経験しています。
とはいえ、実は2回とも口頭で「辞めます」と伝えたタイプ。
小さな企業だったというのもありますが、書類をきっちり出すようなタイプではなかったんです。
でもそれって、今思うと…やっぱりちょっと損してたかもしれない。
退職届って、単なる書類じゃない。
「自分の人生を自分で動かす、その意志表示」なんですよね。
しかも、書き方ひとつで、トラブルを未然に防げたり、印象をやわらげたりもできる。
この記事では、「退職届の書き方」に悩むあなたへ向けて、基本のテンプレから、僕自身のリアルな体験談、さらには、提出のタイミングやマナーまで、皮肉と自虐を織り交ぜながら、ちゃんと役に立つ話をお届けします。
じゃあ、さっそく次のセクションから、具体的な話に入っていきましょうか。
「書き方、わかんねぇよ」っていうあの頃の僕に、今の僕が手紙を書くつもりで、ね。
退職届の基本的な書き方と形式

退職届は、シンプルだけど「書くべきこと」がちゃんと決まっている書類です。
要点さえ押さえれば、必要以上に緊張する必要はありません。
退職届に必要な項目とは?
退職届に書くべき情報は、実はそう多くありません。以下の6つが基本構成です。
- 提出日
- 宛名(通常は直属の上司や会社の代表者)
- 本文(退職の意思と退職日を明記)
- 署名(自分の名前)
- 押印(シャチハタは避けましょう)
- 勤務先名・所属部署
つまり、要点をまとめると、
「私は〇月〇日をもって、貴社を自己都合により退職いたします。」
という一文があれば成立します。意外と、あっけないものです。
退職願との違いに注意しよう
ここでちょっと脱線。
よくある勘違いに「退職願」と「退職届」の混同があります。
僕も最初そうでした。
- 退職願:まだ承諾されていない、お願いの段階
- 退職届:既に決定事項。受理されることを前提に出すもの
なので、「とりあえず辞めたい意思を示す」段階なら退職願。
「辞めることが決まった」なら退職届、という認識でOKです。
上司との面談や話し合いの後に、正式書類として退職届を出すのが一般的な流れですね。
手書き or パソコン?どっちがいいのか問題
最近はWordやGoogleドキュメントで作成する人も増えましたが、まだまだ「手書きが基本」という会社もあります。
特に古い体質の企業や公務員系では手書き推奨です。
でも、「読みやすさ」「正確さ」を優先するなら、パソコン作成も十分アリです。
その場合はPDFで印刷して、最後に自筆で署名・押印するのがスマート。
提出する紙と封筒のマナーもおさえておこう
退職届には白無地の便せん(B5かA4)を使用し、封筒も白無地で。
表に「退職届」、裏に自分の氏名を書くのが基本スタイルです。
コンビニで買えるセットもあるので、わざわざ文房具屋に駆け込まなくても大丈夫。
ただし、クリアファイルに入れて、しわや折れのないように持参する気配りは忘れずに。
書き方だけじゃない、提出時のマナーと注意点

退職届は、書類として正確に仕上げることも大事ですが、それ以上に「出し方」や「タイミング」がものを言います。
ここを間違えると、「非常識」「空気読めない」と思われてしまうかもしれません。
提出するベストなタイミングは?
結論から言うと、退職日の1ヶ月以上前に提出がベストです。
多くの就業規則では「退職は◯日前までに申し出ること」と決められており、だいたいが30日前。これを守らないと、トラブルの火種になります。
とはいえ、「今すぐにでも辞めたい…」って気持ち、めちゃくちゃわかります。
僕も2度の退職、どちらも「耐えきれない」と思ってからの即行動でした。
でも、社会的な手続きとしては、退職って“段取り”なんですよね。
なので、気持ちが限界ギリギリなら、まずは「退職願」を先に出して、精神的な余裕を作ってから「退職届」を出す方法もあります。
提出は直属の上司に手渡しが基本
ここ、地味だけど大事なポイントです。
退職届は、必ず直属の上司に直接手渡ししてください。
「人事部に郵送で」とか、「メールでPDFを送信」は、よほどの事情(リモート勤務や長期欠勤など)がない限りNGです。
また、渡すタイミングにも配慮が必要です。
朝一や始業前、終業後など、相手の手が空いている時間帯を選ぶのがマナー。
いきなり「お疲れ様です、これ退職届です(ドン)」って出すのは、さすがに怖いですよ。
一番やってはいけないのは“バックレ”提出(でも逃げ道はある)
「もう無理、明日から出社できないかも…」
その気持ち、僕は痛いほどわかります。
心も体もすり減って限界寸前。
そんな状態で「上司に渡せ」なんて、正論すぎて聞きたくないですよね。
でもね、本音を言えば、「バックレ=机に退職届を置いて逃げる」ってのは、一番後味が悪くなるやり方なんです。
会社との関係がこじれるだけじゃなく、給与の未払い・保険のトラブル・書類の未交付など、あとから面倒なことが山ほど起きる可能性があります。
じゃあどうすればいいのか。
その答えのひとつが、転職代行サービスです。
転職代行って何?
ざっくり言えば、あなたの代わりに退職手続きをしてくれる業者のこと。
上司に会わず、会社とやりとりせず、もう一歩も出社せずに辞めることが可能になります。
料金は相場で2〜5万円ほど。即日対応のところも多く、弁護士監修の安心なサービスもあります。
「逃げじゃなくて、自分を守るための方法です」
これはある転職代行の担当者が語っていた言葉ですが、僕も同意です。
こんな人は転職代行を検討してみて
- 精神的に追い詰められていて上司に顔を見せるのが怖い
- 退職を申し出ても「辞めさせてもらえない」
- 残業代未払いなど、明らかにブラックな環境にいる
- 引き留めや嫌がらせを受けている
辞めること自体は、誰にでも平等に許された「権利」です。
でも、辞め方にはグラデーションがあるんです。
「立つ鳥跡を濁さず」が理想かもしれないけど、「そもそも鳥に毒が盛られてたら、飛び立つことすらできない」ですからね。
僕がやらかした、退職届を出さなかった後悔

僕はこれまでに2回、仕事を辞めた経験があります。
でも、正直に言うと、どちらも「退職届」を出していませんでした。
上司に口頭で「すみません、辞めさせてください」と伝えて、それで終わったんです。
その時は「これで十分だろ」くらいに思ってました。
が、今振り返ると…いろいろ不便、いや、正直ちょっと後悔しています。
正式な手続きをしなかったことで起きた小さな混乱
まず、離職票や源泉徴収票の発行が遅れました。
「あれ?まだ来てないんですけど…」と何度も会社に連絡する羽目に。
書類がないと次の職場に提出できないし、確定申告のときも困る。
しかも、僕が辞めた会社の一つは、人事が小さな部署で、前任が辞めて引き継ぎがバラバラという、まあよくあるドタバタ系。
「え?退職届?出してませんでした?」なんて言われて、思わず「こっちが聞きたいわ」と突っ込みそうになったほどです。
「あの人、ちゃんとしてなかったね」と思われる怖さ
これは後から聞いた話なんですが、僕のことを「あの人、挨拶もなく辞めたよね」と言ってた人がいたらしくて。
もちろん、僕なりに話して辞めたつもりでしたよ?
でも、退職届を出していない=公式に記録が残らないっていうことなんですよね。
退職届って、“儀式”みたいなもんです。
書くことで、会社にも自分にも「けじめ」がつく。
ちゃんと出せば、辞めた後も「礼儀を守った人」って印象が残る。
「辞めるんだから、もうどう思われても関係ないでしょ?」って言いたくなる気持ちもわかるけど、社会って案外狭いもんでして…数年後にその会社の人と仕事で再会したりするんですよ、これがまた。
「ちゃんと辞める」って、自分の未来への投資でもある
社会って、口だけじゃどうにもならない場面があるんです。
退職届を書くのは、「辞めます」の言葉を、書類という証拠に残す行為です。
僕がきちんと退職届を出していたら、たぶんその後の就活でも堂々と話せたし、会社とのやりとりももっとスムーズだったと思います。
「辞めるときぐらい、きれいに終わりたい」
これは、今の僕が、あの頃の僕に言ってあげたい言葉です。
まとめ|退職届は“礼儀”であり“自己防衛”
退職届って、ただの書類に見えるかもしれません。
でもそれは、**会社に対しての「けじめ」であり、自分にとっての「盾」**なんです。
退職届をきちんと出すことで、手続きはスムーズに進み、トラブルも回避できます。
「社会人として当然のこと」なんて言い方、僕はあんまり好きじゃないけど、それでもやっぱり――
退職届を出して辞めた方が、あとあとラクです。間違いなく。
ブラックな環境でボロボロになってるなら、転職代行という選択肢もあります。
それは逃げじゃない。命や心を守る、大事な自衛行為です。
僕自身、2回退職を経験して、ようやく気づきました。
「辞め方」って、案外、次の人生への影響がデカい。
だからこそ、あなたには「ちゃんと辞めてほしい」。
書類一枚かもしれないけど、それは、あなた自身のための一枚です。